ハイトについて補足🚣🏻 #110
第106回 ハイトは低いが正義だったけど… でハイトについて書きましたが、なぜ低いハイト、高すぎるハイトがおすすめでないのもう少し掘り下げて書いていきたいと思います。
初めになぜ、高いハイトが駄目なのかについて書いていきますが、これについては答えは簡単で高すぎると、パワーポジション、つまり、重心が高すぎてブレードから伝わるパワーが抜けてしまう状況になるからです。
それに加えて、キャッチするときのことを考えてみてください。
そもそものオールが高いので水面とオール(ブレード)が大きく、キャッチするときにその高さ分ロスが生まれてしまい、また、高すぎるので、極端に言えば、腕の高さが肩の高さ以上になってしまったり、前述したとおり、パワーが入る高さを超えてしまいます。
次に、低いハイトがなぜ良くないのか。それは高いハイトと真逆で、オールが低いので水面とオール(ブレード)の差がなく、キャッチのときにブレードターンがより難しくなります。
高さが低なった分、その分ロスも減るのでは?とも思いますが、2000mでは200本前後、1000mでもその半分の100本前後漕ぐことになりますが、その中でいかにミスを少なく漕ぎ切るかもレースの勝敗を分ける大きな要因でもあります。いくらトップレベルの選手でも波や風があればミスをすることもありますし、そのリスクを少しでも減らすためにも低すぎるハイトはおすすめできません。
それから、キャッチ周りで、どうしても、無理が生じてしまいます。矛盾した説明のように感じるかもしれませんが、ローロックの高さが低いので、水面と接触しないようにブレードターンを意識するため、逆にフライアップする傾向があるような気がします。また、窮屈な中ブレードターンをするので、入水のスピードや深さのコントロールが難しくなり、結果的にキャッチが遅くなる、速く入れようとしてブレードが深く入りすぎてしまう。ハイトを低くして重心を良くしていたと思っていたことが逆にマイナスな要素を生んでしまっていたなんて、本末転倒になっているかもしれません。
例えば、今回のオリンピックの決勝へ進出しているクルーを見ると、本当にスムースなキャッチをしていますし、振り込みもかなり小さいです。
もちろん、人によってハイトの高さは異なるので、ここで何センチにしろとか、何センチが基準とか言えませんが、なんか、キャッチが窮屈だなとか、パワーが伝わりにくい(抜けている感じがする)なと思ったら、一度思い切ってハイトの高さを変えてみてください。
もちろん、1回で理想的なハイトの高さが見つかるわけでは無いので、何回も何回も高さを調整して、入水のしやすさ、且、パワーの伝わりやすさ(重すぎてもだめ)、そして、ブレードが深く入りすぎない適当な高さを見つけましょう。